無痛分娩について |
分娩の選択肢の一つとして、無痛分娩についてご紹介したいと思います。
まずは、分娩時の痛みについて知っておく必要があります。
分娩の最初から最後まで起こる痛みであり、痛みと寛解を繰り返します。
傷に伴う痛みではないので、産後は消失します(後陣痛というのもありますが)。
しっかりと閉鎖している子宮口が分娩時10cmまで拡がります。
ゆっくり拡がるときはあまり痛みを感じませんが、
内診で刺激し、拡開すると強い痛みを伴います。
赤ちゃんは、骨盤の筋肉をおしひろげ産道を通ってきます。
分娩進行中「腰が痛い」「お尻にくる」というときは、この痛みです。
経産婦さんは、一度肛門挙筋が伸展しているので分娩が進みやすいです。
腟口は皮膚なので「伸び」には個人差があります。
分娩時、皮膚が伸ばされ、強い痛みによってパニックを起こす場合もあります。
傷ができなければ分娩終了後に痛みは残りません。
切開や自然の傷ができると産後もそれなりに痛みます。
上記の痛みを硬膜外麻酔によって取り除きます。
硬膜外麻酔というのは |
硬膜外麻酔は、日本中の病院の手術室で広く行われている麻酔法です。
脊椎神経が首から腰まで伸び、この部分に麻酔をします。
具体的には、腰の皮膚に局所麻酔をしてから太めの針で挿入します。
皮下からいくつかの靭帯を経て硬膜外腔まで到達して針越しに細い管を入れます。
その管から麻酔薬を投薬します。
腹巻のような範囲で効果が出て足は感覚が鈍いですが動きます。
また、麻酔薬の追加投薬もできます。


●苦痛の軽減・・・痛みがなく進行します。
●恐怖感の払拭・・・お産に対する潜在的な恐怖感をなくすことでお産を良い経験にできます。
●体力の保持・・・長時間でも疲労が蓄積しにくく赤ちゃんと積極的に接することができます。
●骨盤底筋群の弛緩・・・産道が緩み分娩進行に効果的です。
●胎盤への血流増加・・・胎内環境良好で胎児に効果的です。
●分娩の実感・・・生まれ出る赤ちゃんの姿を落ち着いて目に焼き付けることができます。
●産後処置の苦痛軽減
●便通の改善
●麻酔一般の注意・・・血圧の低下、嘔吐、局所麻酔中毒、麻酔アレルギーなどの注意が必要です。
●足が若干しびれているので、体勢に注意し、ときどき体の向きを変えることが大事です。
●収縮剤の使用頻度があがります。
●長時間行うと熱が上がることがあります。
●分娩後に頭痛の症状が現れることがあります。
松信の無痛分娩 は? |
硬膜外麻酔を使って陣痛を分娩進行の妨げにならない様に除痛することです。
意識はあり、赤ちゃん誕生の瞬間も感じられます。
痛みに敏感なかた以外でも、
1人目の分娩が大変だったかた、前回の分娩にトラウマがあるかたには無痛分娩をお勧めします。
当院では、初産経産を問わず24時間体制で無痛分娩に対応しています。
自然陣痛や計画分娩など、さまざまなご希望にもお応えしています。
陣痛発来時に子宮口の開きに関わらずご本人の希望するタイミングで麻酔を行います。
自然に陣痛を待ってからの分娩や計画分娩などそれぞれのご希望にも柔軟にサポート致します。
また、薬剤の濃度や量によって「痛みを軽くしたい。」「弱い陣痛は感じていたい。」「陣痛を味わってから無痛を行いたい」等など幅広いご希望にお応えすることも可能です。
希望されるかたで、 具体的な話を聞きたい方は 医師にご相談ください。